実体顕微鏡のフォーカス部に固定しておき、必要な時に繰り出して使うディフューザーを考えました。アーム照明の光を拡散してくれるので、表面構造の観察や、三眼鏡筒を用いた標本撮影時に大変便利。
若干ワーキングディスタンスが狭くなるのと、リング照明がつけにくくなるのがデメリット。
収納時→展開時。光が拡散されて表面構造が観察しやすくなっている。
収納時のワーキングディスタンスは約90mm程度。
通常のマクロレンズを使った標本撮影にも便利
用意するもの
・トレーシングペーパー(40~60g、A4サイズを2~3枚)
・プリンター(フチなし印刷可能なもの)
・コピー用紙1枚(A4)
・ラミネートフィルム(A4、100ミクロン)
・ラミネーター
・ホチキス
・穴あけパンチ
・ラミネートフィルム(A4、100ミクロン)
・ラミネーター
・ホチキス
・穴あけパンチ
・裁断機
・ハサミ
・掲示用テープ
・実体顕微鏡(今回はグリノー光学系で取り付け径76mmの機体、架台を想定)
・実体顕微鏡(今回はグリノー光学系で取り付け径76mmの機体、架台を想定)
型紙(クリックしてPDFダウンロード可)
①型紙を印刷する
型紙の画像をクリックするとPDFがダウンロードできます(A4サイズ)。コピー用紙にプリンターでフチなし印刷してください。
②トレーシングペーパーを寸法通りにカットする
トレーシングペーパーを2枚重ね、その上に型紙を重ねて、実線部分をカットします。裁断機が便利。
型紙に合わせ、点線のキリトリ部をハサミで切り取ります。細かい幅などは実体顕微鏡のフォーカスラックの寸法に左右されるので、実際にあてがいながら微調整してください。
トレーシングペーパーをラミネートフィルムに挟み、ラミネートします。もしかしたら寸法的にギリギリかもしれません。要調整。
⑤部品を切り出す
ラミネートフィルムの余白を考慮しつつ、紙の形どおりに部品を切り出します。ラミネートフィルムに空気が入ると完成品が歪むので注意。
⑦内側の部品を顕微鏡に仮組み付けする
パンチ穴をフォーカスラックの正面のネジ穴に合わせ、ネジを締めます。内側の部品を円形に丸め、キリトリ部分の寸法が適合するように端を重ねます。適当な位置でのりしろをホチキス止めしてください。
(手元のフォーカスラック(Wraymer製、OLYMPUS製)に適合するように設計図を作っています。大抵の製品には適合するのではないかと思います)
中間の部品と外側の部品を丸めます。径が内側<中間<外側になるように、かつそれぞれのクリアランスをギリギリに保つように丸めること。適当な位置でホチキス止めをします。内側、中間、外側の順に重ねていき、うまくスライドできるか確認してください。
⑧ホチキスでストッパーを作る
うまくスライドできるように部品が重なったら、いったん外します。重ねた状態で外側の部品を引っ張った時にすっぽ抜けないように、ストッパーを作ります。重ねてスライドさせたときに、「2つ出っ張る方」どうしが干渉するようにホチキス止め(図面通りに3つ並べて)をします。
⑨顕微鏡に据え付ける
干渉するようにうまくストッパーができたら、内側の部品を外し、⑥の手順のように顕微鏡に組み付けます。掲示用テープを所定の位置に貼り、顕微鏡のフォーカスラックと圧着して完全に固定します。中間の部品と外側の部品を重ねて取り付けて完成!
光源の位置が自由なアーム照明では、多彩なライティングが可能です。作業と観察を両立したこのディフューザーを是非ご活用ください。もっと改善の余地があると思いますので、お気づきの点はコメントしてくださるとうれしいです!
2023/5/13 第1版
2023/5/14 第2版(型紙をリメイク、DL可に)